6: 2015-08-10 (月) 13:57:05 osinko |
7: 2015-08-10 (月) 21:36:50 osinko |
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| 従ってA点、B点は永久に重ならず、\({a}_{n}\)よりも大きい\(\varepsilon\)を小さくし続けることによって限りなくB点をA点に近づける事が可能となった。さらにA点はこの数列の極限の論証による\(n\)の値の更新によりグラフの右側にどんどん移動していく。しかし、さらに更新された\(\varepsilon\)によりB点はA点を追いかけ続ける。ここに一種の漸化式の様な無限ループの計算が出来上がる事になる | | 従ってA点、B点は永久に重ならず、\({a}_{n}\)よりも大きい\(\varepsilon\)を小さくし続けることによって限りなくB点をA点に近づける事が可能となった。さらにA点はこの数列の極限の論証による\(n\)の値の更新によりグラフの右側にどんどん移動していく。しかし、さらに更新された\(\varepsilon\)によりB点はA点を追いかけ続ける。ここに一種の漸化式の様な無限ループの計算が出来上がる事になる |
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| + | [[ネットの海で拾った画像。イメージとしてはこんな感じ(猫パンエンジン画像):https://dl.dropboxusercontent.com/u/87271864/catpanEngine.jpg]] |
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| ***実際に値を入れてその動きを確かめてみる [#p45d3537] | | ***実際に値を入れてその動きを確かめてみる [#p45d3537] |
| + | #jsmath |
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| + | \(\varepsilon\) を論証を満たす範囲で小さくするとB点はA点に極限まで近づく。その様子を実際に値を入れながら確認してみる。 |
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| + | &font(Green){\(\varepsilon =\frac { 1 }{ 1000 } \)とする}; |
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| + | &font(Green){\(\delta\)は\(\delta =\frac { 1 }{ \varepsilon }\)より\(\delta =\frac { 1 }{ \frac { 1 }{ 1000 } } =1000\)となる}; |
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| + | &font(Green){\(n>\delta\) と \(\forall n\in { \mathbb{N} }\) より \(n=\delta+1=1000+1=1001\)}; |
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| + | &font(Green){ここまでをまとめると\(\varepsilon =\frac { 1 }{ 1000 }\)、\(\delta=1000\)、\(n=1001\)。これはεδ論法を満たしている}; |
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| + | &font(Green){この時、A点は\(\left( 1001,\frac { 1 }{ 1001 } \right) \)、B点は\(\left( 1000,\frac { 1 }{ 1000 } \right)\)であり間の距離\(\varepsilon\)は\(\frac { 1001-1000 }{ 1001\times 1000 } =\frac { 1 }{ 1001000 } \)となる}; |
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| + | もう一度、この計算を繰り返してみる |
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| + | &font(Blue){\(\varepsilon =\frac { 1 }{ 1001000 } \)とする}; |
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| + | &font(Blue){\(\delta\)は\(\delta =\frac { 1 }{ \varepsilon }\)より\(\delta =\frac { 1 }{ \frac { 1 }{ 1001000 } } =1001000\)となる}; |
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- | ***いつまでも追いかけ続けなければならない計算をどうやって終わらせるか? [#q733a465] | + | &font(Blue){\(n>\delta\) と \(\forall n\in { \mathbb{N} }\) より \(n=\delta+1=1001000+1=1001001\)}; |
- | //εδ論法はこれを終わらせるための論法です。今手元に\(\delta =\frac { 1 }{ \varepsilon }\)という値が残っています。これを使って、まるで魔法の様にこの無限の計算を終わらせる事が出来ます | + | |
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- | この計算は無限に右に向かって進み続けるA点をB点を使って追いかけ続ける漸化式の関係になっている。つまりこの計算には終わりが無い。しかし仮に、このグラフの縦軸を距離、横軸を時間として見た時、無限個の距離の和を求める計算、積分計算が出来る事に気が付く | + | &font(Blue){ここまでをまとめると\(\varepsilon =\frac { 1 }{ 1001000 }\)、\(\delta=1001000\)、\(n=1001001\)。これはεδ論法を満たしている}; |
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| + | &font(Blue){この時、A点は\(\left( 1001001,\frac { 1 }{ 1001001 } \right) \)、B点は\(\left( 1001000,\frac { 1 }{ 1001000 } \right)\)であり間の距離\(\varepsilon\)は\(\frac { 1001001-1001000 }{ 1001001\times 1001000 } =\frac { 1 }{ 1002002001000 } \)となる}; |
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- | <思考実験> | + | もう一度、この計算を繰り返してみる |
- | A点とB点との間の距離が1/εメートルある。B点がA点を追いかける。B点がA点まで行くのにδ=ε時間かかった。 | + | |
- | そのかかった時間だけA点はn>δよりn=δ+1=ε+1進んだ。B点はそれに追いつくためにε+1÷(1/ε/ε)時間かかった・・・ | + | |
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| + | (以下略) |
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- | 「アキレスと亀」という有名な噺。A点を亀。B点をアキレスと考えると・・・ | + | このようにεδ論法によって"作られた数式"を利用する事により\(\varepsilon\)は数回の計算を繰り返すことで人間には認識しづらい程、\(0\)に向かって小さな値に、つまり「限りなく\(0\)に近づく」事になる。この計算には終わりが無く無限回数これを繰り返す。従って\(\varepsilon\)は\(0\)に収束すると言い、そんな\(\varepsilon\)よりも小さい\(\frac{1}{n}\)は\(0\)だろうと言い切れる。これを数式にすると\(\displaystyle \lim _{ n\rightarrow \infty }{ \frac { 1 }{ n } =0 } \)と表現できる |