8: 2016-05-28 (土) 02:08:46 osinko |
9: 2016-05-29 (日) 20:59:09 osinko |
| TITLE:鳩の巣論法 | | TITLE:鳩の巣論法 |
| #jsmath | | #jsmath |
- | **鳩の巣論法 [#u061b7c1] | + | **期待値と鳩の巣論法 [#u061b7c1] |
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| 資料:[[幾何分布の期待値の導出:http://sucrose.hatenablog.com/entry/2014/01/18/233322]] | | 資料:[[幾何分布の期待値の導出:http://sucrose.hatenablog.com/entry/2014/01/18/233322]] |
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| この問題のディテールを自分なりに確認してみる | | この問題のディテールを自分なりに確認してみる |
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| + | 順番に考えていく。確率は「起こり得る全体の中で希望するものの割合である」。従って |
| + | 1000回に1回しか失敗しない人の「縄跳びを一回跳ぶ事に失敗する確率」は\(\frac { 1 }{ 1000 } =0.001\)。成功する確率は\(\frac { 999 }{ 1000 } =0.999\)となる |
| + | ここで思考実験として「3人で縄跳びを一回跳ぶ」事を考える。 |
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| + | 確率(正規化された量:実数)を論じるとき、事象で構成された標本空間(集合)\(\Omega\)と、それに対応する確率分布(関数)\(Pr\)が必要となる |
| + | この問題に当てはまる標本空間を考えると・・・ |
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| + | \(標本空間\Omega =\left\{ { \omega }_{ 1 }=一人が縄跳びを跳んで成功する,{ \omega }_{ 2 }=一人が縄跳びを跳んで失敗する \right\} \) |
| + | となる、この標本空間から「3人で縄跳びを一回跳ぶ」樹形図を作成する |
| + | &ref(prob7.png,100%); |
| + | 樹形図の1分岐目が1人目が跳んだ事象を表し、2分岐目が2人目が跳んだ事象を表している |
| + | このような事象の成否によって無記憶性を持って分岐する確率分布を二項分布と呼ぶ |
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| + | この樹形図で「3人で縄跳びを一回跳ぶ」事に成功する事象を探す。これは一番上のルートであることが分かる |
| + | 従ってその確率は\(\\ { 0.999 }^{ 3 }=0.997002999...\)となる。これが30人いる場合は\({ 0.999 }^{ 30 }=0.970430967...\)となる事が分かる |
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| + | では、「3人で縄跳びを一回跳ぶ」事に失敗する確率はどうなるだろうか。&font(Fuchsia){ここでやりがちな間違いとは\({ 0.001 }^{ 30 }\)を失敗の確率と考えてしまう事である};。この場合を樹形図で確認すると、一番下のルートのみを計算したことになり\({ 0.001 }^{ 30 }\)の計算では「ひとりでも縄に引っかかれば失敗」という事象を満たさなくなる。では下図の青ルートを計算するとして30人になった場合の事を考えると、それぞれ計算し各ルートを足し合わせる事になるので、この計算はとても大変な事だと解ってくる(この樹形図は右に伸びていくほど分岐が増えていく) |
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| + | この失敗を計算する方法は実は確率の性質を利用する事で簡単に計算できる |
| + | 確率の公理を利用すると以下のように考えられる(参考資料:数学ガール 乱択アルゴリズム P124) |
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| + | \(\Omega =\left\{ p=成功した事象,q=失敗した事象 \right\} \\ 0\le Pr(p)\le 1\\ Pr(\Omega )=1\\ p\cap q=\{ \} \quad \rightarrow \quad Pr(p\cup q)=Pr(p)+Pr(q) \) |
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| + | ここで\(p\)を成功事象。\(q\)を失敗事象として考えると樹形図の成功以外の複数のルートをいちいち計算しなくても「\(q=(1-p)\)」である事がわかる |
| + | つまり、\(1-0.999^{ 30 }\)で「30人で縄跳びを一回跳ぶ」事に失敗する確率は求められる。このような考え方を資料:虚数の情緒ではP491~P492の鳩の巣論法で説明している |
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| + | <TODO> |
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| 確率は「起こり得る全体の中で希望するものの割合である」。この事を利用して希望するものの逆に該当する事象の確率を計算し全体である1から引き算することで答えを得る | | 確率は「起こり得る全体の中で希望するものの割合である」。この事を利用して希望するものの逆に該当する事象の確率を計算し全体である1から引き算することで答えを得る |