高校数学​/対数 のバックアップの現在との差分(No.4)

Unity学習帳2冊目高校数学 / 対数 のバックアップの現在との差分(No.4)
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4: 2015-04-08 (水) 13:22:25 osinko ソース 現: 2015-04-19 (日) 19:55:06 osinko ソース
Line 2: Line 2:
#jsmath #jsmath
**対数 [#yedfcea5] **対数 [#yedfcea5]
 +#jsmath
&ref(log1.png); &ref(log1.png);
対数は以上のような式で表される。累乗根は式を組んだ段階で未知数 対数は以上のような式で表される。累乗根は式を組んだ段階で未知数
 +機能的には指数法則や常用対数表などを利用して答えを導き出す。一種の関数として扱う(sin、cos等の三角関数等に似た指数関数と呼ばれるもの)
底の数を何回掛ければ真数になるか?(底を何乗すれば真数になるか?)、この場合10を3乗すれば1000になる事を表している 底の数を何回掛ければ真数になるか?(底を何乗すれば真数になるか?)、この場合10を3乗すれば1000になる事を表している
-つまり、未知数が判明している段階では式的に \({10}^{3}=1000\) や \(\sqrt [ 3 ]{ 1000 } =10\) と同じ事を表現していると考えても良い+つまり、未知数(累乗根)が判明している段階では式的に \({10}^{3}=1000\) や \(\sqrt [ 3 ]{ 1000 } =10\) と同じ事を表現していると考えても良い
<計算例> <計算例>
-\(\log _{ 10 }{ 1000000 } =6\\ \log _{ 10 }{ 15 } =\log _{ 10 }{ (1.5\times 10) } =(0.176+1)\simeq 1.176\\ \log _{ 10 }{ 0.1234 } =\log _{ 10 }{ (1.234\times { 10 }^{ -1 }) } =(0.0913...+(-1))\simeq -0.9087...\\ \log _{ 2 }{ 8 } =3\\ \log _{ 2 }{ 100 } =\frac { \log _{ 10 }{ (100) }  }{ \log _{ 10 }{ (2) }  } =\frac { 2 }{ 0.3010... } \simeq 6.645...\) +\(\displaystyle\log _{ 10 }{ 1000000 } =6\\ \log _{ 10 }{ 15 } =\log _{ 10 }{ (1.5\times 10) } =(0.176+1)\simeq 1.176\\ \log _{ 10 }{ 0.1234 } =\log _{ 10 }{ (1.234\times { 10 }^{ -1 }) } =(0.0913...+(-1))\simeq -0.9087...\\ \log _{ 2 }{ 8 } =3\\ \displaystyle\log _{ 2 }{ 100 } =\frac { \log _{ 10 }{ (100) }  }{ \log _{ 10 }{ (2) }  } =\frac { 2 }{ 0.3010... } \simeq 6.645...\) 
-\(\log _{ 0.9 }{ 0.5 } =\frac { \log _{ 10 }{ 0.5 }  }{ \log _{ 10 }{ 0.9 }  } =\frac { \log _{ 10 }{ (5\times { 10 }^{ -1 }) }  }{ \log _{ 10 }{ (9\times { 10 }^{ -1 }) }  } \simeq \frac { 0.699...+(-1) }{ 0.954...+(-1) } \simeq \frac { -0.301... }{ -0.0457... } =6.58...\)+ 
 +\(\displaystyle\log _{ 0.9 }{ 0.5 } =\frac { \log _{ 10 }{ 0.5 }  }{ \log _{ 10 }{ 0.9 }  } =\frac { \log _{ 10 }{ (5\times { 10 }^{ -1 }) }  }{ \log _{ 10 }{ (9\times { 10 }^{ -1 }) }  } \simeq \frac { 0.699...+(-1) }{ 0.954...+(-1) } \simeq \frac { -0.301... }{ -0.0457... } =6.58...\)
<要点> <要点>
Line 20: Line 22:
<利点> <利点>
-掛算・割算の計算が対数の性質を利用する事で足算・引算に変換できる。うまく利用すると精度と引き換えに膨大な計算をキャンセルできる -掛算・割算の計算が対数の性質を利用する事で足算・引算に変換できる。うまく利用すると精度と引き換えに膨大な計算をキャンセルできる
 +
 +計算例:
 +\(291765314896253\times 214281632125678926\div 12963218936134\times 3.56\div 0.0748\\ =\log _{ 10 }{ (2.917\times { 10 }^{ 14 }) } \times \log _{ 10 }{ (2.142\times { 10 }^{ 17 }) } \div \log _{ 10 }{ (1.296\times { 10 }^{ 13 }) } \times \log _{ 10 }{ (3.56) } \div (7.48\times { 10 }^{ -2 })\\ \simeq (0.465+14)+(0.331+17)-(0.113+13)+(0.551)-(0.874+(-2))\\ \simeq 0.465+14+0.331+17-0.113-13+0.551-0.874+2\\ \simeq 20.36 \)
 +
 +従って
 +\(\quad { 10 }^{ 20.36 }\quad \rightarrow \quad { 10 }^{ 0.36 }\times { 10 }^{ 20 }\quad \rightarrow \quad 2.29\times { 10 }^{ 20 }\)
 +
 +(常用対数表がある場合、筆算でこのような計算が可能となる。計算機の場合はそのまま計算したほうが早い)
 +
-ある底の数の未知数である累乗根を計算によって導き出せる(例えば、\({3.5}^{n}=535\) このnを求める事が出来る。これは様々な計算方法の中で対数が一番シンプルに導き出せる) -ある底の数の未知数である累乗根を計算によって導き出せる(例えば、\({3.5}^{n}=535\) このnを求める事が出来る。これは様々な計算方法の中で対数が一番シンプルに導き出せる)
 +
 +計算例1:
 +
 +\({ 3.5 }^{ n }=535\quad \rightarrow \quad \log _{ 10 }{ { 3.5 }^{ n } } =\log _{ 10 }{ 535 } \quad \rightarrow \quad n\log _{ 10 }{ { 3.5 } } =\log _{ 10 }{ (5.35\times { 10 }^{ 2 }) } \\ n=\frac { \log _{ 10 }{ (5.35\times { 10 }^{ 2 }) }  }{ \log _{ 10 }{ { 3.5 } }  } \simeq \frac { 0.728+2 }{ 0.544 } \simeq \frac { 2.728 }{ 0.544 } \simeq 5.015\\ 従って{ 3.5 }^{ 5.015 }\simeq 535\)
 +
 +(この計算は対数を利用しない場合、非常に導出が困難になる。その意味で対数の有効性が良く分かる例と言える)
 +
 +計算例1:
 +
 +\({ r }^{ 2 }=96364838561\\ \rightarrow \quad \log _{ 10 }{ { r }^{ 2 } } =\log _{ 10 }{ 96364838561 } \\ \rightarrow \quad 2\log _{ 10 }{ { r } } =\log _{ 10 }{ (9.636 } \times { 10 }^{ 10 })\\ \rightarrow \quad \log _{ 10 }{ { r } } =\frac { \log _{ 10 }{ (9.636 } \times { 10 }^{ 10 }) }{ 2 } \quad \rightarrow \quad \log _{ 10 }{ { r } } \simeq \frac { 0.984+10 }{ 2 } \simeq 5.492\\ 従って\quad \log _{ 10 }{ { r } } \simeq 5.492\quad \rightarrow \quad r\simeq { 10 }^{ 5.492 }\quad \rightarrow \quad r\simeq { 10 }^{ 0.492 }\times { 10 }^{ 5 }\simeq 3.10\times { 10 }^{ 5 }\simeq 310000\)
 +
 +(対数と指数の関係を利用して平方根や累乗根の値を計算する事も出来る。これは対数の有効な使い方のひとつ)
 +
<主な用途> <主な用途>
Line 32: Line 56:
<tips> <tips>
-計算機で対数を求める際は \(\log _{ x }{ y } =\frac { \log _{ 10 }{ y }  }{ \log _{ 10 }{ x }  } \) の公式を利用すると良い。たとえば \(\log _{ 2 }{ 64 } \) を求める場合、64、log、÷、2、log、= と計算機を押すと良い -計算機で対数を求める際は \(\log _{ x }{ y } =\frac { \log _{ 10 }{ y }  }{ \log _{ 10 }{ x }  } \) の公式を利用すると良い。たとえば \(\log _{ 2 }{ 64 } \) を求める場合、64、log、÷、2、log、= と計算機を押すと良い
 +
 +**対数法則 [#s330ab03]
 +
 ++\(\log _{ a }{ a } =1\)
 ++\(\log _{ a }{ 1 } =0\)
 ++\(\log _{ a }{ MN } =\log _{ a }{ M } +\log _{ a }{ N } \)
 ++\(\log _{ a }{ \frac { M }{ N }  } =\log _{ a }{ M } -\log _{ a }{ N } \)
 ++\(\log _{ a }{ { M }^{ r } } =r\log _{ a }{ M } \)
 +
 +**底の変換公式 [#i140b0d3]
 +
 +\(\log _{ a }{ b } =\frac { \log _{ c }{ b }  }{ \log _{ c }{ a }  } \quad\)  (cは任意の値でOK)
 +
 +**実習 [#k8177774]
 +
 +\({ 2 }^{ x }=5\quad \rightarrow \quad \log _{ 2 }{ 5 } =x\quad \) と表せる。これは\(\sqrt [ 2 ]{ 5 } =x\)でもある
 +
 +\({ 13 }^{ x }=8\quad \rightarrow \quad \log _{ 13 }{ 8 } =x\quad \)と表せる
 +
 +これは \(\sqrt [ 13 ]{ 8 } =x\) でもある
 +
 +では \(\log _{ 13 }{ 8 } =x\) を求めてみる。この式は \(x=\log _{ 10 }{ 8 } \div \log _{ 10 }{ (1.3\times 10) } \)と変形できる
 +ここから8と1.3を対数表もしくは計算機の「log」(この場合、底は10となっている)を利用して値を引き出す
 +結果、1.3は0.1139...、8は0.9030...となる。これを10の指数として扱う。つまり \({ 10 }^{ 0.1139 }=1.3\) であり \({ 10 }^{ 0.9030 }=8\)となっている
 +ここから指数法則、対数法則を利用して計算すると \(x=\log _{ 10 }{ 8 } \div \log _{ 10 }{ 13 } =\frac { 0.9030 }{ 0.1139+1 } \simeq 0.8107\) となる(\(\simeq\) は近似値を表す)
 +この値が正しいか確認する為に \({ 13 }^{ 0.8107 }\) を計算機で確かめると近似値が確認できる
 +
 +#code(csharp){{
 +using UnityEngine;
 +using System.Collections;
 +
 +public class log1 : MonoBehaviour
 +{
 +     void Start ()
 +     {
 +     print (Mathf.Log10 (8) / Mathf.Log10 (13));
 +     print (Mathf.Log (8, 13));
 +     print (Mathf.Pow (13, 0.8107145f));
 +     }
 +}
 +}}
**基礎的な10までの対数の筆算の求め方 [#tc333edd] **基礎的な10までの対数の筆算の求め方 [#tc333edd]
Line 67: Line 132:
|9| | |9| |
-**logとln [#d61e0008+**人の感覚と対数 [#gcf4d735
- +#jsmath 
-計算機などでは「log」の底は10、つまりlog(10)xとして扱われています +人間の感覚は「対数的」であるという説がある
-数学の計算ソフトではこれと共に「ln」が存在し、これは「logarithm 。ただし、natural」ということで底がe(ネイピア数)。つまりlog(e)xになります +
- +
-これはどうも世間一般に統一されていないようで状況により使い分けられているようです +
-たまにlogと書いていても底がeの時もあるようです? +
- +
-<転載資料:&link(logとln - 回答5件【解決済み】 - 教えて!goo){http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6046665.html?from=navi_ranking}> +
-【eを用いるケース】 +
-・数学全般(log と書きます) +
-・電子回路の信号遅延の計算(ln と書く人が多いです) +
-・放射能、および、放射性物質の減衰(log とも ln とも書きます。ただし、eではなく2を使うこともあります。) +
- +
-【10を用いるケース】(log または log10 と書きます) +
-・一般に、実験データや工業のデータを片対数や両対数の方眼紙でまとめるとき(挙げると切りがないほど例が多い) +
-・pH(水溶液の水素イオン指数・・・酸性・中性・アルカリ性) +
-・デシベル(回路のゲイン、音圧レベル、画面のちらつきなど) +
- +
-<PocketCasでの出力> +
-&image(loglnGraph1.jpg) +
- +
- +
- +
- +
-**自然対数の底e [#v1810af5]+
-分岐課題:ネイピア数やオイラーの公式とは何か?+もし自分の財布に100円しか持っていなくて10円を落とした場合、ちょっとショックを受ける 
 +でも、もし一万円を持って10円落とした場合、あまりショックは受けないだろう。この場合、同じショックを受けるには財布に1万円あって千円落とすと同じくらいのショックを感じるのではないか 
 +これを対数の式にすると
-オイラーの公式。exp(ix)=cos(x)+i sin(x) とは何だろう? +\(\log _{ 10 }{ 100 } -\log _{ 10 }{ 10 } \quad =\quad 2-1\quad =\quad 1\\ \log _{ 10 }{ 10000 } -\log _{ 10 }{ 1000 } \quad =\quad 4-3\quad =\quad 1\)
-ぱっと見て、これは複素数を利用して極座標からデカルト座標を求める式に良く似ている +
-上記の第三段階で表裏の状態を極座標、デカルト座標にて扱う事に決めたので、これは今回のテーマに使えそうな気がする… +
-そしてexp(1)は「自然対数の底」とよく表現される。これがゲームコードに利用できるのか調べてみよう+
-まず、自然対数の底とは何を指しているのかを知る必要がある。その為には対数を学習する必要があるようだ +このように対数計算では同じ1となり、感受した際の感覚が同一程度になる事が対数と関係する事を予想させる 
-[[対数]]+1万円で10円を落とした場合、\(\log _{ 10 }{ 10000 } -\log _{ 10 }{ 10 } \quad =\quad 4-1\quad =\quad 3\)となり、同じような感情になる事は無い 
 +これはオクターブの異なる同じ音階に対する感じ方や、TVゲームRPGのお金の扱いやダメージ計算にも当てはまる現象となる
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