(εδ論法自体はあまりゲーム作りには必要ない知識かも。厳密な数の動きを知る、証明の為の物であってunityでゲームを作るには重要度が低い可能性があります。自分は帰納に興味があるので少し続けます)
εδ論法とは何者か?
εδ論法(イプシロン・デルタ論法)とは何者か?
εδ論法とは対応する、ふたつの変数の関係を解析する為に使う道具である。基本的に証明のためのもの
実体のA点(\(n\),\({ a }_{ n }\))、仮定のB点(\(\delta\),\(\varepsilon \))のふたつの点をグラフ上に作りその関係を論理的に調べる
\(y=f(x)={x}^{2}\)の場合、関数によって対応する\(x\)と\(y\)という変数の関係を解析できる
\({ a }_{ n }=f(n)=\frac{1}{n}\)の場合、関数によって対応する数列\({a}_{n}\)と\(n\)という変数の関係を解析できる
(この「対応する」と言う言葉は\(x\)と\(y\)が互いに関数の関係にあり、\(x\)が変化すれば\(y\)が、\(y\)が変化すれば\(x\)が変化することを表している)
仮定のB点はA点の関数の性質を継承している。従って\(\delta\)も\(\varepsilon\)に対応している(慣習的にグラフ縦軸の変数を\(\varepsilon\)、横軸側を\(\delta\)とする)
このA点とB点の差を利用して「関数の性質」や「数列の性質」「数の性質」を調べる事が出来る
lim等の利用により「片方の変数が無限に減ったり増えたりする際の関数の性質を知る」事も出来る
アルキメデスの公理
アルキメデスの公理、もしくはアルキメデスの性質、原則と呼ばれる自明のものがある。εδ論法では、この公理が利用される機会が多い
公理は証明が必要ない公然とした事実として扱われる。その内容は以下になっている
任意の正の実数 \(\varepsilon>0\)、\(a>0\)に対して\(n\varepsilon>a\)をみたす自然数 \(n\in \mathbb{ N }\) が必ず存在する
基本的な部分を確認しておく。自然数、整数、実数等、代表的な数の分類とは、どんな数か以下参照
細かい数の分類は資料:数学-数の種類を参照
自然数 | 0,1,2,3,4... | \(\mathbb{N}\) | uint |
整数 | ...-2,-1,0,1,2,3... | \(\mathbb{Z}\) | int |
実数 | +-、0、整数、分数、小数、有理数、ルート、円周率、無理数等を含めた数 | \(\mathbb{R}\) | float,double,Mathf.Pi |
自然数は中学教育の間までは0を含めていないが高校以降では含める事となっている。nはnatural_numberの頭文字であるが、数学では0を含めた場合iとするのが慣習である。つまり0まで含めた数列の場合\({a}_{i}\)と書く(個人メモ:C#のforループでi=0を使う慣習は、この数学的慣習にならっての事だと予想される。つまり1から始めるループならnを使う、マイナスまで含めたforループならzを使うのが良い?)
<計算例>
\(\varepsilon=0.1234,a=789.0123\quad \rightarrow \quad n\varepsilon>a\quad \rightarrow \quad 0.1234n>789.0123\quad \rightarrow \quad n>\frac { 789.0123 }{ 0.1234 } =6393.94...\)
\(n>6393.94...\quad \rightarrow \quad n=6394\)
アルキメデスの公理2
実数と数列の関係
こんな感じのものではないか?という仮定を幾つか立てる
<実数と有理数の関係>
実数\(\mathbb{R}\)に含まれる無理数、超越数は有理数\(\mathbb{Q}\)の集合から代数的操作で得る事は出来ず、極限操作によってはじめて定義できる
従って有理数\(\mathbb{Q}\)と実数\(\mathbb{R}\)は四則演算について閉じている
例:
\(\pi\)≠有理数 や \(\sqrt { 2 }\)≠有理数 のように無理数や超越数は有理数に出来ない。だから四則演算については閉じている。「閉じている」とは何か?この場合同じ集合同士の四則演算が同じ集合に収まる様を指している。無理数同士の足算や掛算は無理数に、超越数同士は超越数になる
メモ
上に有界ならsup
下に有界ならinf