正確に事象の数を数え上げる事が確率計算の基礎にある
この操作、技術には観察に基づいた公式、セオリーがあるものや、まったく未解決の問題など混在している
まず、解決されている一般的な問題に対処する方法を暗記し使いこなす事で確率計算の出来る幅を広げる事となりそうだ
ここでは、数学上、一般化されている事象の数え方、「場合の数」の数え方(計算方法)を書いて行く
<確率計算が難しい理由>
- 問題の日本語を論理的に理解する必要がある為(集合を正確に把握する等)
- 数学上、一般化されている事象の数え方の仕組みを理解し暗記した上で状況に合わせて利用する事が求められる為
- 一般化できない「場合の数」がある。その為、問題が難しくなりやすい
- 計算に「分数に対しての割算」を使う事が多いので直観が働かない事が多い(人間は割算の割算が苦手)
順列、組み合わせに関しての説明は当サイトでは省きます(基礎的な部分であり良い書籍が沢山あるので、そちらで調べる方が良いと思います)
一列に並べる方法の数(要素の重複アリ)
参考文献「数学ガール 乱択アルゴリズム」のP81、「3.2.4 アスパラガス」より、この問題をコクリコという文字列に変更して再考してみます
「コクリコ」の4文字を一列に並べる方法は何通りあるか?
この問題では要素内に「コ」がふたつあり重複がある事が特徴となっている
実際に樹形図を書いてその全体を把握してみる
まず樹形図をよく観察すると、「コクリコ」の4文字を一列に並べる順列の数が \(4\times 3\times 2\times 1\quad =\quad { _{ 4 }{ P }_{ 4 } }\quad =\quad 4!\quad =\quad 24\) である事がわかる
また各文字の並びが「二つずつ重複している事が見て取れる」。図では例として赤色、青色、緑色の3色で4組のペアを示している。この重複は「コ」と、もうひとつの「コ」の二つで作成される順列が生み出している。又、右の樹形図は「コ」の片側を「!」に変たものを参考として書いた。この場合、全く重複が生まれていない。この事から「コ・コ」の順列が重複を生みだし、この重複分で全体を割ってやれば並べる方法の数が求められる事がわかる
「コ・コ」の順列は \(2\times 1\quad =\quad { _{ 2 }{ P }_{ 2 } }\quad =\quad 2!\quad =\quad 2\) となり2組ずつになる
したがって、この「一列に並べる方法の数」は \(\frac { コ・ク・リ・コの順列の数 }{ コ・コの順列の数 } \quad =\quad \frac { { _{ 4 }{ P }_{ 4 } } }{ { _{ 2 }{ P }_{ 2 } } } \quad =\quad \frac { 4! }{ 2! } \quad =\quad 12\) となる
これはコンビネーション(組合せ)の式とは少し違う。重複した順列の数で割る事自体の原理は利用しているが全体側の順列のしっぽ切りはしていない
4枚の中から2枚のカードを取り出す場合の数 | \({ _{ 4 }{ C }_{ 2 }\quad =\quad \frac { 4\times 3 }{ 2\times 1 } }\quad =\quad 6\) |
4枚のカードの中に2枚重複するカードが混じっている時の並べる場合の数 | \(\frac { _{ 4 }P_{ 4 } }{ _{ 2 }P_{ 2 } } \quad =\quad \frac { 4\times 3\times 2\times 1 }{ 2\times 1 } \quad =\quad 12\) |
この応用の問題として以下のようなものがある
参考文献「知りたいサイエンス 確率のエッセンス」のP28~P29、「暗証番号」より、この問題を一列に並べる場合の数ととらえ再考してみます
ちなみに個人的なこの本に対する感想を書きますが、おそらくこの本は中級者以上を対象としています
自分から調べようとしないと難しい問題が多いので注意
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