確率と統計​/確率の基礎3(幾何分布の無記憶性について)

Unity学習帳2冊目確率と統計 / 確率の基礎3(幾何分布の無記憶性について)

確率の基礎3(幾何分布の無記憶性について) anchor.png

出現確率1%のガチャを100回引いても,4割近くの人は全部はずれる。“本当の確率”を読み解いてみよう

この記事で使われている計算テクニックは「二項分布」そのものであり、幾何分布の無記憶性がよくわかる内容となっている
幾何分布の無記憶性は論理式で以下のように定義されている。まず、この意味を日本語訳して確かめていく。そしてこの記事で使われている計算式を実際に眺めてみる

<以下wikiより抜粋>

\(\forall n,k\in \mathbb{N}\quad \left( \quad P\left( X>n+k|X>n \right) \quad \leftrightarrow \quad P\left( X>k \right) \quad \right) \)

これはコイントスを例にすると、コイントスを繰り返して少なくともn回表が出なかったという情報が与えられたときに、表が出るまでに投げる回数が(n+k)を超える条件付き確率は、情報が与えられない場合の確率(すなわち、今すべてを忘れて改めてコイントスを開始して、表が出るまでに投げる回数がk回を超える確率)に等しいという意味である。各種のギャンブルにおいて負けが続くと、しばしば「運がたまっている」とか「そろそろ勝ちが巡ってくる」といった考えに陥りがちである。しかし、試行の独立性を仮定する限りにおいては、この考えは誤謬であり、負けが続いているという情報は未来の確率に何の影響も与えないということが、無記憶性からわかる。

前提となる先頭から読み解いていく。まず「\(\forall n,k\in \mathbb{N}\)」の部分

\(n\)はn回表が出なかった数
\(k\)は表が出るまでの追加回数

この太字の\( \mathbb{N}\)は(Natural number)自然数を表している。\(\in\)は「含まれている」と訳せる。つまり\(n\)と\(k\)は自然に数えられるような1,2,3,4,5,6,.....といったような数となることを言っている
(0.5の様な実数やマイナスの数字といった非自然的な数字にはならないという事)

次に「 \(\left( \quad P\left( X>n+k|X>n \right) \quad \leftrightarrow \quad P\left( X>k \right) \quad \right) \) 」の部分を読み解いていく

まず\(P()\)。これは「確率分布(Probability distribution)」と呼ばれるもので括弧内の入力に対して1対1で実数を返す関数となっている
関数をよく\(f\left( x \right) \)と書くがそれと同じ。ただ、この関数は入力に対応する確率を返す

少し整理するとこういう事になっている

標本空間起こりうる可能性、事象(部分集合)をもれ、だぶりなく網羅した集合
確率変数標本空間の各事象(部分集合)から対応する実数にする関数。\(X\)と表される事が多い
幾何分布
確率分布確率を得るための関数。数学では\(P()\)と表される事が多い。標本空間上の事象、又は確率変数を入力に確率1を分布させる出力機能を持っている関数
確率確率質量関数\(p()\)から得られる実数(全事象の確率を足し合わせると1になる(100%になるということ))
期待値
偏差値
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各パラメータの関係 anchor.png

確率という実数が得られるまでの一連の流れをC#と数学の視点から見て考えるとこうなる

標本空間(例:\(\overset { オメガ }{ \Omega } \)等で表される。事象(部分集合)を集めた集合)
\(Ω=\left\{ { 表、裏 } \right\} \\ Ω=\left\{ { A、B } \right\} \\ Ω={ \left\{ ピカチョウ、フシギダワ、ニセガメ、ヘトカゲ、ギャース \right\} }\\ Ω={ \left\{ ピカチョウ、ピカチョウ以外の全部 \right\} }\\ Ω=\left\{ 背の高さが120cm以上の人、背の高さが120cm以下の人 \right\} \)

この例での「\(表\)」や「\(A\)」は事象と呼ばれる部分集合となっている

↓事象(部分集合)を\(\overset { 小文字のオメガ }{ \omega } \)へ入力

確率変数(例:\(X X(ω)\) 等、大文字で表される関数)
C#で考えると、この入力の型はジェネリック(T)になっている
X(ピカチョウ)= 3
X(ニセガメ)= 6
X(表)=10回コインを投げて表が何回目で出るかの数

入力に1対1に対応した実数(C#ではintやfloatとなる)が出力される
この例では入力「ピカチョウ」に対応した離散的な数「3番」という実数を出力する関数となっている
ここは非常に重要で事象(部分集合)を連続する順序のある数に変換している
これによりこの値をヨコ軸にしたグラフが扱えるようになる(事象と確率分布の間にこのような確率変数を挟むのはこれが目的)

↓実数Xを入力

確率分布(例:Pr(X) 等、入力実数に対応した確率の実数を返す関数)
確率の値をタテ軸に、確率変数の値をヨコ軸にすると確率分布の関数グラフで事象と確率が扱えるようになる
もちろん、イプシロンデルタ論法などを利用した解析も行えるようになる。このグラフを積分すると1になる
prob2.png

グラフに出来るという事は対象の量的な側面に注目し数値を用いて分析を行うことを意味する
このような分析を数学では「定量的に考える」と言う

また対象の状態を「不連続な性質の変化に着目して議論する際、「定性的に考える」と言う
論理記号の「ターンイー \( \exists \) (存在限量記号) はこのような議論に対し論理的に真偽を返すものとなっている

定性的定量的
塩は舐めるとしおっからい水100mlに対し塩10gでしよっぱいと感じる
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ベルヌーイ試行 anchor.png

幾何分布のグラフ
prob1.png

確率には以下のような公理がある

これを実際に例で表してみると・・・

関数が \(P\left( A|B \right) \) もしくは \({ P }_{ B }\left( A \right) \) と書かれていた場合、その出力は「条件付き確率」を表す
これは「ある事象B が起こるという条件下での別の事象A の確率」という意味になる



添付ファイル:
fileprob2.png 99件 [詳細] fileprob1.png 130件 [詳細]

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Last-modified: 2016-05-25 (水) 21:33:12 (JST) (2898d) by osinko